re:born

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「いや、ちょっと待って!! 明日から五日間留守なんだって!! 入院するって言ったっしょ?」 「わかってるわ、したから母さん来たんでしょ」 「は?!」 「母さんが留守預かるし、あんたの洗濯とかもあるでしょうや。お見舞いだって行くし。あ、ここから病院って近いのかい?」 「えっと、電車で3駅ぐらい、って。なんでさ?! 母さん、こっちに来ちゃったら父さん困るでしょうや!」 「大丈夫さ、1週間ぐらいだもの。うるさく言う人いなくて、父さんも羽伸ばしてるんでない?」  冷蔵庫に詰め終わった後は、今度は自分の荷物を広げだす。 「あ、そうそう、ほらこれ。来る前に北海道神宮に寄ってきたから」  とテーブルに置かれもの。  病気平癒守りと書かれた御守りだった。 「……、病気ではないんだって」 「わかってるよ、もう。したけど、手術だから、なんかあったら怖いし(おっかないし)」 「大丈夫だって、今は安全な方法で」 「したけども!! 手術は手術なのさ! 自分の子供が手術するんだもの、おっかないに決まってるでしょ!」  まだ一回も笑顔を見せない母さんだったけれど、それでも。  北海道神宮は家から結構遠い、ついでにしちゃあかなりの遠回りだ。 「ありがとうね、母さん」 「、うん」  恥ずかしいのか小さく返事をしてくれた。  ちょうど半年前、ケンカ別れしてしまった時とは違う。
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