re:born

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「ホテルとか、取ろうか?」 「なしてさ?」 「いや、だって」  6畳1Kの狭い部屋だし。 「母さんいたら、なんか都合悪いの?」 「そういうんじゃないってば」 「したらいいんでないの?」  布団はベッドに敷いてある一組しかない、けれど母さんはもう泊る気マンマンみたいだし。  仕方ない、今夜はタオルケットとクッションで自分が床に寝ればいい。 「まあ、いいや。お風呂入る? 疲れたでしょ? 風呂沸かすね」 「あんたはもう入ったんでしょ? したら母さん、シャワーでいいよ」 「いや、寒いって、12月だよ! 北海道と違ってエアコンしか暖房ないからさ、すぐ沸くから待って」  あら、そういえば部屋が寒いのね、と今頃気づいた母をよそめに、本日二度目の風呂を沸かす。 「なんか飲む? 水とお茶しかないけど」 「したらお茶もらうかね」 「はいよ」  ペットボトルのお茶を取り出そうとしてその上に積まれた野菜に苦笑した。  まるで実家の冷蔵庫みたいだ。
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