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「姉ちゃん、あいつら面白がって隠れやがった。お母さんと喋ってばっかいないで捕まえるのを手伝え」
息を切らせ、弟が私に言う。
というか、弟よ。変な生き物見ても、動じないのね。
「なんか赤ちゃんみたいで可愛いし、遊んでいる奴もいるけど本当の所は元居た場所へ帰りたがっているみたいだし」
「そっか。ふふふ。任せて。我が心眼よ、目覚めろー」
私は眼鏡をずらして右目で見た。
「わあ、中二病!」
影ちゃんはツッコミを忘れなった。
小鬼は、テレビの脇に1匹。ドアのとこに2匹。あ、庭で遊んでいる子もいるぞ。それで全部みたい。
不思議と小鬼はぼんやりじゃなくて、はっきりと見えた。
「あちゃー。本当だ……」
昨日は気付かなかったけど、井戸の木蓋がずれてた。
だから、私が落っこちちゃったのね。
まあ、そんな訳で小鬼をなんとか全部捕まえて、井戸に放り込み、その日は事なきを得た。
私はきちんと蓋をして、あの要石とやらをもう一度木蓋の上に置きなおした。
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