8月14日

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 その日も熱帯夜だった。 「日向……、日向……」  優しい声に呼ばれて、目が覚める。 「あれ? 篁さん」    相変わらず赤茶色の灼熱の大地。草木はまばら。鬼にいたぶられて遠く泣き叫ぶ声がこだまする。 「蓋をして重石までしたのに、また、私、地獄に来ちゃったんですか?」 「すまないね。今回は私がお前を呼んだんだ」  明日、また小鬼捕獲大作戦か。  あの子達、可愛いけどちょろちょろ逃げるから捕まえるのはちょっと面倒。 「日向。よくお聞き。どうやらお前たちは利用されて、冥府に通ずる井戸を開けさせられたようだ」 「利用され……?」 「そう」  篁さんが神妙な顔をして頷いた。 「いや、そんな、まさか。私たちは庭の掃除をしただけですよ。草を刈っただけ。たまたま池の縁石と間違えて、井戸の要石を動かしちゃっただけですよ。利用されてって……」  んなイドイド詐欺みたいな言い方をされても。 「実は『たまたま』も『偶然』も、ないのだよ」  はい? 「世の中は常に『因果応報』」  因果応報?
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