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「地道な努力している者が、栄光を掴む話をよく聞くだろう? 数奇な運命の果てにたまたま好機が巡るかのようにみえる。が、実は本人がその好機を引き寄せる努力をしているからなんだ。栄光を掴むは必然。それは私達から見たら至極当たり前のこと」
あの、もっと分かりやすく。
「偶然、お前たちはあの家に引っ越してきたように思えるけど、それは違う。上手いこと仕組まれて優良物件をもちかけられて、日向の父君が喜んで格安料金で買う。その結果、地獄に通じやすい盆の日に庭掃除をして要石を動かし、冥府に通ずる井戸を開けさせられてしまった。
いや、開けさせられるのも必然なら、これもいた仕方ないことかもしれないね」
「意味がさっぱり見えません」
「理解しなくていいよ。
問題は、お前たちによって解き放たれた地獄の亡者が23名。あの井戸を通じて、お前たちの世界に出て行ってしまったことだ」
「はあああああ? それって、もしかしてすっごく大変なことなんじゃ」
「そう。だから、今日、お前をこちらに呼び出したのだ」
せっかく要石置きなおしたのに、ご利益ないな。
「いや、日向の置いた要石よりも私の方が、力が強いからだよ」
篁さん、ナチュラルに自慢入れないで。
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