8月13日

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 しかも裁きを受けさせてもらえずに、有罪の地獄送りだなんて。 (言われてみれば、ここ……。国語便覧だか、日本史資料集だかで見た地獄絵図そっくりじゃない)  私は泣き出しそうになった。  でも、不思議と怖くない。  頭の片隅で (とんだホラーで酷い夢!)  なんてぷんすか思ってて、あくまでも「夢」で済ませようとしてたから。 「正しくはけどね」 「え?」  私は、きらりと目を輝かせた。 「死んでないので、閻魔様の裁きも受けてない。そういうのを、すっ飛ばして、ここに落ちてきたようだ」  さっきから「落ちた」と言われてるけど、私の体、どこも打ってないし痛い所もない。  でもね、言っている意味は分かるの。  時々、空の方からすっごい断末魔のような声と共に、人がドサドサと落ちてくるのが見えていたから。  私は天井を仰ぎ見た。  何にも見えない。赤黒い靄みたいなのがかかっていているけど、曇天じゃない。赤土の大地を焦がすような灼熱の光を感じるけど、太陽もない。 (本当にここは地獄なんだ……)
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