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久保君は小学生の頃、神隠しにあった事がある。
ある日、学校の遠足で、近くにある天狗崇拝で知られる神社に行った。
境内でお昼を食べて、一服していると、1人の山伏が近付いて来て言った。
「一緒に来なさい」
唐突な申し出を断ると、山伏は、今度が加藤君の方へ言って、何やらボソボソ話している。加藤君の姿が見えないのに気付いたのは、帰りのバスの中だ。
「ねえ、加藤君何処行った?」
クラスメイトに聞いても、「誰、それ」と、最初からそんな同級生は知らないと言った素振りだ。
そして、加藤君はそのまま消えてしまった。
数日後、加藤君は何事も無かった様に学校に登校して来た。「天狗の里に居た」
行方不明だった数日を、彼は、そう語った。山の向こう側に天狗の里があり、其処に滞在していたのだと云う。
「天狗との思い出に記念写真も撮った」
これが、その写真だと云う。
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