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約1週間、由依と俺は甘い時間を過ごした。
俺が目を覚ますと、由依は甲斐甲斐しく世話をしてくれ、老後の生活はこんな感じかな…となんとも言えないことを想像してみたり。
由依って優しさの塊じゃなかったんだな、とちょっとショックを受けたり。
でも意地悪なところにドキドキしちゃったり。
「こんなことならもっと前から番になればよかったなー!」
大の字になってベットに寝転がっていると、由依はそばにかけた。
「ふふ、前はあんなにいやだいやだーって言ってたのにね」
「過去のことは振り返らないタイプなんだよ」
「どこまで近づいていいのか、僕も大変だったんだよ?」
ごろんと転がって由依の顔を見上げる。
困ったように眉を下げて笑う表情に愛しさを感じた。
「今はどこまでも近づけるだろ?ま、あの頃もわりと近かったけどな!」
「恭弥もそこまで鈍くなかったんだね」
えらいえらい、と頭を撫でられる。が、完ッ全に子供扱いじゃねーかこれ。
起き上がって仕返しに由依の鼻をつまむ。
「あ、イケメンは鼻つまんでもイケメンなんだな」
「プッ、なにそれ」
じわじわと笑いが込み上げてきて、ふたりで顔を合わせて笑う。
「恭弥、愛してるよ」
「ああ、俺も。…ずっと一緒に居ような」
どちらともいわず目を閉じてキスをした。
完
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