あみぐるみあみ

2/6
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 それにこういうものは、デザインが少し複雑であっても、結局は細編みと長編みの組み合わせだ。慎重に編んでいけば編めるはずである。  その本には作り方が写真付きで説明されているページもあって、「ここまで編んだら耳を付ける」とか、「しっぽは針と糸で縫い付ける」など、分かりやすそうに書いてあるから、この本を見ながらなら編めるはずだと、私は確信したのだが…。  無情にも、その通りには行かなかった。  編みものには、編み図という設計図のようなものがある。もちろん、この本にもそれが載っている。  編み図を見ながら編めば、理論的には、誰にでも同じものが編めるはずなのだが、その編み図に書かれている編み目の数を数えるだけでも、かなりの労力を要する。 「あ、いつの間にか一目多くなってる」なんてことはザラにある。 「今、何段目だっけ??」なんてこともしょっちゅうで、 「確認しようにも、自分が編んだ目の数を、自分で数えられない!」という悲劇も起こった。  初心者だと、きれいに揃った編み目が編めていない等の理由で、こういうことも起こるらしい。 (でも、私は初心者ではないはず…。だって、小学校と中学校の時に編んでたもん)  しかし、自分で編んだ編み地の編み目を、後から見て数えられないという事実は(くつがえ)しようがない。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!