セキチク

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彼女はずっとついてくる、料理中でもご飯を食べていても。 ただ居るだけならいいのだが無駄にこちらをずっと見ている。 テーブルの上には簡単に調理したチャーハンが置いてあり、目の前の彼女は僕がご飯を食べる姿を微笑みながら見ていた。 さすがに食べずらいと思い話しかけようとした時、彼女は首を右に傾けながら話しだした。 「美味しい?」 「まあ」 美味しい?と言われても適当に野菜を入れ、塩コショウで味付けをしたシンプルなものだ、いつも食べているし、そんなに美味しくも感じない。 ただ返答に困ってしまって短い言葉で会話を終わらせた。 「そっか」 彼女はより一層幸せそうな顔になった。 誰なんだろか、この人本当に何もわからない。 食事を終え皿をキッチンに置き、洗い物を始める。 彼女は横に立ったまま僕の行動をまた微笑みながら覗き込んで来た。 「お皿洗い上手いねっ」 彼女は皿を洗うジェスチャーを交え話しをした。 「皿を洗うに上手いも下手もありませんよ」 そう言うと彼女はジェスチャーをやめ、腕を組み自信満々に話し始めた。 「私すっごくお皿洗い下手だったんだよ!スプーン洗う時毎回水飛び散るし、コップを持つとね手からスルスルって落ちて行っちゃうんだよね!」 なぜか簡単に想像がついてしまった、確かに色々下手そうだ。 鼻で「ふっ」と笑ってしまった。 「あ!今初めて少し笑った!よかった~怖がられてるかと思った!」 丁度皿洗いが終わったので彼女の横を通りながら食器を拭き、棚にしまいながら話す。 「最初は怖かったんですけどなんだか慣れました」 「すごいね!私だったら確実にお祓いに行くよ!」 「じゃあお祓い行っていいですか?」 彼女は慌てふためいた様子で「やめて~ちゃんと仕事はするから~」と話した
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