エロい男のキス

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エロい男のキス

「佐藤、マジやばかったな、さっきのケンケン。アイツ普段真顔だから、笑うとギャップすごいし。 しかもメロメロって言った時、魔性だった。」 タクミが僕に話しかけてくるのを聞き流しながら、思わず口から言葉がこぼれ落ちていた。 「漆原のキスは何か記憶に残るって言うか、凄い熱くなっちゃうんだよ。 僕、今でも時々思い出すくらいだし。ま、漆原本人は全く反応しないけど。 多分、僕たちが思うより百戦錬磨だと思う。」 「百戦錬磨⁉︎うわー、今日、田中倒れちゃうんじゃ無いの?ところで、どこでやるって?」 タクミは興奮した様にはしゃいだ後、急にトーンを落として聞いてきた。 「いや、僕も聞いてない。放課後ここで待ち合わせしてるみたいだったけどね。」 皆がソワソワと面白がって、あるいは何かを期待して、興奮した様に話していた。 僕は漆原にリストを渡した事を、何となく後悔していた。 ************* 「ここ、入って。あ、和也。悪いね、付き合わせちゃって。彼、田中。 えーっと、あっちに和也が居るから、キス以上の不埒な事しようとしないでね。基本僕がリードだから。」 僕は色々考えた結果、寮の相部屋に連れ込むことにした。 相部屋の和也が在室してくれれば、二人きりの密室にはならないし、僕にとっては安全になる。 和也とはもうキスしたから、覗いてくることもないだろうし。 ていうか、そもそもアイツは覗くようなタイプじゃない気がする。 目の前の田中翔太は、真面目すぎず、チャラ過ぎず、ちょっと面白い事が好きそうな普通の高校生に見える。 和也が選んだ後腐れも無いタイプらしいから、こっちも安心だ。 しかし、ムードもへったくれもないな。どうやってスタートするんだコレ。 「田中はどうして僕とキスしようとか思った訳?」 僕は田中をデスクに座らせて聞いた。田中は心なしか、顔を赤らめて、言った。 「オレ、漆原の顔タイプだから。」 「ふうん。いくらタイプだからって、僕男なのに。」 僕はニヤリと笑い、田中の顎を指で掴むとゆっくりと唇を重ねた。 正直僕はこのキスレクチャーを楽しみ始めていた。男たちを思い通りにする事も達成感があったし。 こっちの安全も保証されてて、急に襲われる事を考えなくて良くなって、キスが嫌いじゃなければいい事づくめだ。 こっちは帰国子女で軽いキスは挨拶で、まぁボーイフレンドと深いキスは楽しんだ方だしね。 そう考えながら、田中とのキスを楽しんだ。 田中は佐藤や、和也と違って随分敏感に反応するので、攻める甲斐がある男だった。 キスが終わった後もしばらくうっとりと呆けているので、ちょっと可愛いなと思った。 「結構楽しかったよ。」 そう言いながら、部屋を出る田中の指先を持ち上げて上目遣いで甘噛みした。 ちょっと屈みながら田中が部屋を出て行った後に、和也がジト目で言った。 「お前、嫌々やってるとは思えない程ノリノリだな。まったく。」 調子に乗ってたなと反省したけど後の祭りだったかな?
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