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衝撃的な怖い話
俺様健斗の学校生活は順調そのものだった。
勉強はまぁこなせたし、同居人は干渉してこないし、運動は得意なので楽勝だし、男子仕様なので食事量は多いのが難だけどね。
何と言ってもほとんど話しかけてくる奴がいないって事。
弟が友達いないって言ってたのマジだった。ぼっちだった。寂しい奴。
ていうか寂しいーぃ!
流石にね、僕は弟と違って社交大好きっ子なんですよ、ね?中身女子ですよ。わちゃわちゃ喋りたい!
話出来ないと死にます。クラスメイトが用があって話しかけてくれる時も思わずガン見です。ううぅ、話したい!
留学先のキャサリン!マイキー、カモーン!ああ、辛い…。
もう俺様孤高の健斗辞めようかな…。
そんなことを考えていたせいか、僕は無意識に俺様フィルターを外してたらしい。
「漆原、一緒に昼食べに行こうよ。」
顔を勢いよくあげると、隣の席の奴が立っていた。
おお、よく見るとカッコ可愛い系だなぁコイツ。確か佐藤とか言ったっけ。
佐藤は明るめのマッシュルームヘアと人懐っこい目をした、アレ、えーっとそう美容系男子だ。
「あ、ああ。行く。」
「良かった!漆原っていつも1人だからダメ元で誘ったんだけど。あ、もう1人一緒でも良い?」
僕はコクリと頷くと佐藤の後をついて行った。
佐藤について廊下に出るともう1人美容系男子が居た。ん?どっかで見た事あるんだけど。
僕が思い出せなくて考え込みながらもう1人をガン見していたら、其奴が口を開いた。
「え?珍しいじゃん。漆原も一緒なのぉ?どーも。原田智樹でっす。あ、ボク達一度部屋で会ってるからw」
その甘ったれた声を聞いて僕は入寮日に同室の林と抱き合ってた生徒を思い出した。
僕は想像上の男子校あるあるを思い浮かべてやっぱり赤くなってたらしい。二人は顔を見合わせてクスクス笑った。
「何、噂と違くない?ケンケンて随分可愛いぃ。」
「でしょ?だから昼誘ってみたんだ。あ、漆原行こう。」
佐藤はそう言うとケラケラ笑う原田を追い立ててランチルームへ向かった。
ランチルームでは佐藤と原田は兎に角あちこちから声が掛かった。人気あるなぁ、この二人。
一緒に居る僕に気づくとギョッとされたけどね…。悲しい。
「ねぇ、ケンケンってどっち?ウケ?セメ?」
「いきなりなの?トモ尋問早すぎw」
二人はランチを食べながら意味不明な話題を振ってきた。
僕はラーメンを啜りながらしばし考える。ウケとは、セメとは…。
ゴホゴホとむせると、僕は水を慌てて飲みながら言った。
「どっちでも無いから!普通だから!」
慌てる僕に原田は実に恐ろしい事を言い放った。
「えー?外では普通でも、ここに居る間はウケ、セメあるいは両方かに属してるでしょ?
だって僕たちお年頃で我慢出来ないし。ね、裕。
実際ボクも女子は好きだよ。ウケだけど。て言うか気持ちいいことが好きって言うか。
あ、でもケンケンてその手の噂あんまり無かったね。だからこそ皆気になってたっていうか?」
イヤイヤ、怖い事言ってる!この人誰か捕まえてー。
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