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彼は家の事情で、小さな頃から料理をしていたらしい。
彼の作るものは、なんでも美味しかった。
食べたことのあるものは、だいたい味を再現出来る。
そう豪語するだけあって、彼は大概のものを美味しく作った。
おかげで、私はキッチンに立つことは無かった。
大学生の彼に甘えてしまうのは良くないと、思いつつ、仕事馬鹿な私は今日も彼の作った夜食に手を伸ばす。
隣には、小さなメモ。
昨日の読んだお疲れ様の文字を想像して、ニヤリとしてしまう。
筆まめな彼の一言は、毎日日替わりだ。
今日は、どんなことが書いているんだろうかと、脇にどける。
最後のデザートとしてのお楽しみ。そんな感覚だ。
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