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それを聞いた賢斗は安心したのか昼食をモリモリと食べ始めた。
「昨日は綾乃が出張でいなかったから、夕方から七菜ちゃんとご飯食べに行ったんだよ。
で、その居酒屋で七菜ちゃんがかなり酔っ払ってくだを巻きだしたんだよね。
俺の手をオッパイに当てて、私じゃダメ? って。モミモミしてくるの。
そりゃ俺だって男だからさぁ、欲情するよ。多少は揉んでやったけど、その先に進んだらダメだと思ったから自宅に送ったんだよ。
七菜ちゃんのお母さんに、ありがとうって言われたんだよ。
で、俺の勃起した息子を宥めながら帰ったってわけ。
どう? これで俺のことを信じてくれた?」
賢斗はその結末に苦笑いしかしなかった。
「勃起した息子。これ使えるなぁ」
「裕太君、その文面はパロディだからエロ小説には向かないんじゃないかな」
「賢斗の勃起した息子を私は舐め回してヒンヒン言わせてやった。すると賢斗は我慢しきれず」
「バカやめろよ! 何だよヒンヒンって」
俺はニヤリと笑う。
その日の講義が終わると俺の所に七菜ちゃんが走って来た。
「賢斗、見て見ろ、オッパイが走ってくる」
「裕太、聞こえるぞ」
七菜ちゃんは俺の目の前でピタッと止まると、息を切らせながら話し掛けてきた。
「裕太君、昨日は送ってくれてありがとう。お母さんから聞いてびっくりした。私酔っ払って何も覚えてないんだぁ」
俺と賢斗で目を合わせてしまった。
「でも今朝、裕太と関係持ったって言ってたよね?」
「そうだっけ? 言ってないよ?」
ここまでくると誰が何を言ったのか、誰が真実を言っているのかが解らなくなる。
「昨日も言ったけど、俺は綾乃がいるから七菜ちゃんとは付き合えないよ」
「そうだっけ、そんなこと言われたっけ?」
七菜ちゃんはばつが悪いと思ったのか、フフッと笑うとその場を去った。
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