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「逃げたな」
俺はそう確信した。
「裕太、七菜ちゃんヤバくない? きっとあの調子でみんなに言いふらしてるよ。裕太君とエッチしたんだぁって」
「かもね。だったらやっとけば良かったかな」
「やっぱりお前は罪深い奴だな。地獄へ墜ちろバカ男」
「黙れ、バカ童貞」
「は? オレは童貞じゃない!」
「あっそ」
「えぇ! それで終わり? そこもうちょっと突っ込んでよ」
俺は賢斗を横目でチラッと見てから講義室を出た。
「裕太、ちょっと待てよ」
賢斗と別れて駐車場まで来ると、車の前に七菜ちゃんがいた。
「あれ七菜ちゃん。どうした?」
「裕太君、さっきはちゃんと話が出来なかったからここで待ってた」
「あぁ、そう。で、話って何?」
「私を彼女に出来ないならセフレでも良いの」
「はい?」
俺はその発言に驚いたが、逆に盛りの付いたオスだと思われているんじゃないかと自分の立場を疑い始める。
「セフレなら割り切って出来るよね?」
「ちょっと待って、七菜ちゃんは俺とやりたいだけってこと?」
「ん? それは違う。最終的に彼氏になって欲しい。体の関係があればそのうち好きになってくれるよね?」
「七菜ちゃん強引だねぇ、その勢いは嫌いじゃないけど俺には綾乃がいるから」
七菜ちゃんは俺の首目がけて飛びついて両腕で抱きつくとキスをしてきた。
驚いた俺は身動きが取れない。七菜ちゃんはそのまま舌を入れてきた。
「待って待って」
口封じに会っているため、まともな言葉が出ない。七菜ちゃんは更にグイグイと舌を入れてくる。
これはまるで拷問だ。
体を離そうと七菜ちゃんを押した。
しかもそこは両胸だ。
やっと離れたと思ったら、七菜ちゃんはニヤリと笑ってこう言い放つ。
「セフレ契約完了」
「はい?」
それだけ言うとルンルンで消えていった。
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