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「なんか自分に自信がなくなっちゃって」
「その顔からしてそうだろうなぁ」
「彼女がレズビアンになったらオレは要らなくなるよな?」
「そうだねぇ。でもそれは彼女が決めることだからねぇ」
賢斗はガックリと肩を落とした。
「俺が思うに、自虐行為ってスゲェ最高じゃん。それって自分の気持ちいいポイントやタイミングを知ってるからフィニッシュ出来るんじゃん。異性だと分からないけど同性なら分かるって意味、わかる?」
「うん」
「だったら賢斗もいろんな経験してみたらどうだ? 彼女の気持ちを理解した上で付き合うか別れるか決めたら良い」
「経験って?」
「男同士はゲイって事だよ」
俺は四つん這いになり賢斗に近寄った。逃げるのかと思ったら身を引いたまま固まっていた。
「俺は賢斗なんか好きじゃない。だからキスはしないよ」
そう言って首筋に吸い付いた。
「賢斗、このままヤってもいいの?」
賢斗はそれに対して返事をしなかったが、ゆっくりと目を閉じた。
俺は浮気をしている訳じゃない。大事な親友を助けたいが為に体を張ってこの行為に及んでいる。
実は俺もバイセクシュアルだ。だから誰が誰を抱こうと関係ない。勿論綾乃はこの事を知らない。
そして俺には賢斗の彼女の気持ちがよく分かる。だから彼女気持ちを理解した上で、と言った。
でも本当はオッパイが好きだから女の子を好むんだが。
そのオッパイもスイカみたいにデカいのから皿みたいにペチャンコな奴まで、日替わりで触ってきている。
今日は賢斗の為にバイセクシュアルになろうじゃないか。
俺は動かなくなった賢斗に跨がると、冷えた缶ビールを頬に当てた。
「冷たっ」
「素面で親友を犯すことは俺には出来ない。それに賢斗だって初体験を鮮明に覚えてるのも辛いだろ?」
二人で乾杯をすると一気に飲み干した。
そして豪快なゲップをして笑った。
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