犬系男子の素性

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 あぁ、講義に集中できない。  朝からテンション上げたはずなのに、既にだだ下がりだ。綾乃も仕事だし俺は講義だし。  綾乃に触れていない三日間と言う欲求不満が俺の触覚を鈍らせ苦しめる。  周りを見渡すと全て女の子だ。だからって誰でも良いって訳では無い。  その前にオレは講義中だから。  我慢するしかないか。  俺は少しだけ開いた綾乃の唇を塞いだ。艶々に塗られたグロスは俺の唇を離さない。  その感触はまるで大粒の葡萄に吸い付いたようだった。  張りのある唇からは生温い息が俺に浴びせかけられる。その息さえも勿体なくて全てを吸い尽くしてやりたいと、綾乃の唇に音を立て吸い付く。  綾乃の両手首を頭の上で拘束すると耳たぶを舐めはじめる。声を殺しながらもがく綾乃を更に追い込む。そしてお互いの耳元で吐息を感じる。  俺は唇と舌を使ってピアスを外す。そうやってこの車内で幾つものピアスを行方不明にしてやった。だから今日もまたスローテンポでピアスを外す。  時折漏れる綾乃の声。  この哀れも無い姿が俺をそそる。  そしてその下に隠されている秘密を知りたい。だからゆっくりと唇を這わせる。 「なぁ賢斗」 「なに?」 「俺、早退していいかなぁ」 「具合でも悪いのか?」 「違う、綾乃とエッチしたくなった」 「は?」  賢斗の声に、俺達を囲んでいた女の子達が一斉に振り向いた。 「もしかしてお前バカだろう」 「だってさぁ」 「だってもクソもねぇだろ。それに綾乃ちゃんだって仕事中だろうが」 「そっか」 「そっかじゃねぇよ。暇さえあれば嫌らしい小説書いてるからそう言う事になるんだろうが。全部綾乃ちゃんにチクるぞ」 「あぁ、それは良くないねぇ」 「それに、オレは裕太の捌け口にはならないからな」 「なんだそれ」 「じゃぁ、なんでオレの手を握ってるんだよ」 「うわぁ」  再び回りの女の子達の視線を痛く感じる。  触覚を鈍らされた影響がこんな所に出て来ていたとは。  まぁ、言われたことに間違いは無いけれど、三日もセックスしてないと色んな所に支障が出てくる。  
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