本当の自分

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「俺さぁ、賢斗大事だわ」 「は? 急に何言ってんだよ」 「俺は賢斗にとって、レモン汁なだけなのかなぁ」 「は? なんだそれ」 「イチゴと練乳は最高の組み合わせだろ? タンとレモン汁もベストマッチだと思うんだよ」 「それで?」 「俺は賢斗と」 「何だって?」  途中で言葉を遮られた。なんだかムカつく。 「だから、俺は賢斗」 「は?」 「何だよ! 最後まで話させろよ! 俺は賢斗が大切な人なんだよ!」  賢斗はニヤリと笑ってタンを食べている。 「裕太君。オレの場合、コロッケ風味のソースも好きなんだが」 「主役はコロッケじゃねぇのかよ」 「違う、ソースだ」 「全くもって意味が分からねぇ」  ヤケクソで肉を頬張った。  七菜ちゃんが賢斗の部屋に入ってきた時、俺は本気で2回目のセックスをしようと思っていた。だから七菜ちゃんに邪魔されたのが悔しかった。出てってくれる? のフレーズは本心。  七菜ちゃんに見せつけるための賢斗とのキスも嫌いじゃなかった。言うなればしたいと思って自分からキスをした。
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