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その快感と労力は比例しながら想像以上の早さで俺等の体力を奪った。
朽ち果てた俺は賢斗の横に倒れ込む。
「マジでヤバい」
「それな」
独身男の部屋で全裸二人がベッドに横たわる姿は、ビジュアル的にアウトだな。
しかも使用済みのゴムが三つも転がっている。一つは賢斗が開けただけの物。きっと使われずに廃棄されるのだろう。
「ねぇ賢斗、これ何かに使う?」
「は?」
「は? じゃねえよ。勿体ないじゃん」
「開封済みを何に使うんだよ。ストックバッグじゃあるまいし」
「賢斗が使わないなら、俺が三回目で使ってやろうか」
「今は勘弁してくれ」
「じゃぁ三分待とう」
「黙れ絶倫アホ作家」
「アホ作家とな?!」
俺はエロ作家からアホ作家に降格された。
笑いが止まらない。
「ねぇねぇ、このタイミングでまた七菜ちゃんが入ってきたらどうする?」
そう言うと賢斗が慌てて起き上がり玄関先を確認した。
「ビビらせんなよ」
「カーテンの隙間から覗いてるかもよ」
今度は窓を見る。
「だから止めろよ」
「あー!」
「あー! だから止めろって、叫んじゃったじゃん。トラウマだからマジで止めて」
本気の笑いが止まらない。
ひとしきり笑うとシャワーを浴びてベッドカバーを洗濯機で回している間にゲーム対戦をして遊んだ。
「裕太の背中のアザ、消えないのか?」
「え? あぁ、そうね。皮膚移植しかないんだよね」
俺の背中の真ん中からから尻にかけて火傷の跡がある。
「でも別に困ってないし」
「オレそれ覚えてるよ。保育園の頃のプールでいじめられてたよな」
「そうね。あんまり良い記憶じゃない。でも賢斗が助けてくれたの覚えてるよ。
バカーって言いながらそいつ等に突っ込んでなぎ倒した奴。ブルドーザーみたいだったな」
「そんなこともあったねぇ」
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