犬系男子の素性

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「裕太は綾乃ちゃんをどうやって捕まえたんだ?」 「捕まえたって人聞き悪い言い方するな。綾乃とはコンビニでトゥンクした」 「え? 何それ」 「ラスいちのチョコレートを取ろうとしたら、手と手が触れた。ドラマみたいだろ?」 「裕太がドラマとか、それは無いな」 「あと、たまに見掛けてたんだよね。信号待ちしてるとその横断歩道を歩いてくるんだよ。可愛い子だなぁって眺めてたら、その子とトゥンクした」 「へぇ、それで?」 「いつも横断歩道で見掛けます、的な感じで始まった。だからナンパじゃないのよ」 「誰もナンパしたなんて言ってないじゃん」 「俺は綾乃が一番だから浮気なんてしてないよ」 「でも今朝は七菜ちゃんとご飯の約束してたよな。あれは浮気じゃないのか?」 「別に俺は体を求めてる訳じゃないから。お付き合いと遊びは別だから」 「よくわからんなぁ、モテる男は大変だって事しか理解できない」  しばらく沈黙が続く。 「賢斗はさぁ、男前なのになんで女の子が寄りつかないのかなぁ。背も高いし顔だって悪くないのにな。性格だって優しさのかたまりじゃん」 「そうか?」 「普通はそこ、否定するところだろう? 身長百八十ってどっかの俳優みたいじゃん」 「裕太はもっとあるよな?」 「おぉ、よくぞ聞いてくれた。俺は百八十二だ」 「クソッ、負けたわ」 「俺等さぁ、歌って踊れる何とか&何とかみたいな感じで行けそうじゃん。歌手でもいいじゃん? それどうよ」 「デカい二人って威圧感あるよな。俺等まだ細いからいいけど、裕太のその成りは反則だわ」 「賢斗だってその色白の肌、男の俺でも触りたくなる」 「やめろよ、男には興味無いから! 特に裕太にはな!」
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