波に想いをのせて

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波に想いをのせて

 橙色に大きな太陽は雲に隠れながら、青色を縁取る水平線へと沈んで行こうとしている。 突然の突風。私の髪を靡かせる。 「真澄(ますみ)! 行くぞぉ!」  真斗が私を呼ぶ声。 「待ってヨォ! この潮風にまだ吹かれていたい!」 「じゃあ俺車で待ってる。あと10分だけだぞ!」  真斗は手を上げて砂浜から堤防の階段を上がっていく。私は気持ちの整理がつかずに、ただ風に吹かれ想いをこの海へと解き放つ。
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