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壊れる日常
「ねぇっ今日転校生来るらしいよ。」
「ええ?この中途半端な時期に?」
「この前新入生が入ってきたばっかりなのにね。」
「その子かっこいいのかな。可愛いのかな。」
「Aクラスだって。」
「Aクラス?凄いんだね。」
「王道転校生ktkr」
へぇ〜転校生来るんだぁ。皆情報はどっから仕入れてくるんだろう?
この学校って腐男子が情報いっぱい持ってるんだよねぇ。
でも、こんな時期に来るのって珍しいから気になるな。何か問題でもおこしたのかな?
Aクラスだったら関わることは無さそうだね。
Aクラスにて
side腐男子
俺は腐男子の悠真。腐男子だけど、一応風紀委員でもあるんだ。
腐男子隊の隊長理久様に情報をお届けするためにもしっかり転校生をチェックしなければ。
ガラガラと音を立てて教室のドアが開いた。
きゃぁぁぁ
「おはよう。今日は転校生がきてるぞ。」
入ってきた担任…暁月透也がそう言った。
この担任はホストっぽくはなく、気だるげな色気がある黒髪黒目のイケメンだ。いつも事後ですかと問いたくなる。
「えーどんな人だろー」
「イケメンがいいなー。」
「いや、可愛い子がいいぞ。」
「王道こい王道こい。 」
口々にクラスメイトが話し出す。
最後のは同士だな。
「よし、入ってこい秋原。」
扉の向こうへ声をかける。
どうやら王道のような名前呼びではないようだ。
残念だと思う気持ちもあるが、すごくほっとした。
名前呼びだと、物語の中ではいいがここでは風紀が乱れてしまう。良くも悪くもここは閉鎖的な場所なため厄介だ。親衛隊なんてものが出来るくらいだからな。
「おはよう!秋原遥斗だ!」
やたらと元気な声で入ってきたのは…
マリモだな。それも王道。
それ絶対すぐバレるだろと言うくらいの雑な変装。あの方の変装とは雲泥の差。
きゃぁぁぁぁぁ
いつもの悲鳴とはちがう絶叫の声。
「なあ透也なんで名前でよんでくれねぇんだよ」
アイツ、言ったぞ?
「暁月様になんてことを 許せない。」
「調子乗ってんなよ」
「マリモの癖に。」
おうおうおう。ほらな?担任もあの顔だ。人気に決まっている。
「俺は基本名前は呼ばないんだ。済まないな。」
ナイスだ担任。
「皆平等に接する暁月様は素晴らしい」
「暁月様ずっとついて行きます!」
このまま上手く収まればいいんだか
「は?友達だろ?」
そうは問屋が卸さないんだな。
「マリモめぇ」
「アイツ何様?」
「アンチ…」
「俺は教師だ。友達じゃない。あの席へ早く座れ。」
担任。ナイスだ。あの方に報告しといてやる。
「天宮の斜め前な。」
担任。許さねぇからな。
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