六月

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六月

次の日からも、いろいろなアイドルグループの ジャケット撮影や雑誌の撮影をこなす 連日来る有名アイドルにジウは毎日興奮していた スタジオに来て1ヶ月が過ぎたころ 現場にも少し慣れてきて簡単なメイクや アクセサリー選びをさせてもらえるようになった そんなある日、レインシエルのミナこと 美波ちゃんからメールが来た 今度、芸能界の仲良い人達でパーティーをするようで 私も来ないかと誘いの連絡だった 芸能界のパーティーになんで私?と思い とりあえずやんわり断りのメールをしたが その日の夜に電話がかかってきて どうしても来て欲しいとお願いされた とりあえず返事を少し待ってもらうことにした ジウに言ったらかなり羨ましがられ 行かないなんて勿体ないとうるさく言われた パーティーは今週の土曜日らしい 土日は休みだから行けるし それと言って予定もない とりあえず顔だけ出してすぐに帰ろうと思い 美波ちゃんに連絡した あっという間にパーティーの日になる どういうパーティーなのか分からなかったので 念のためドレスコードで待ち合わせの場所へ行った 「藍ちゃん!」 車の中からサングラスをかけた美波ちゃんが顔を出す 急いで車に乗る 「今日は無理言ってごめんね」 美波ちゃんが申し訳なさそうに言う 「ううん、でも私なんて行ってもいいの?」 「だって私が藍ちゃんと知り合いって知ったら 連れてこいってみんなうるさくて」 みんながうるさい? 「メンバーの人?」 「ううん、メンバーもだけど、いろんな人?」 いろんな人って?私芸能界の知り合い美波ちゃんしか いないのに、誰のことだろう? 「いろんな人って?」 「行ったら分かるよ」 そう言って会場に着くまで教えてくれなかった 会場といっても誰かのマンションのようで 暗証番号を押してエレベーターで最上階まで上がる 私は美波ちゃんの後ろを静かについて行った
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