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私は夢見心地の抜けないまま、YUMEURUWASHIのボタンを押し、そのまま眠りに落ちていった。
「ゴメン。ワタシ、オミクジヒケナイノデス。」
夢の中で彼は、神社のおみくじを引けないでいた。もしかして彼は、キリスト教なのかな。それとも無心論者なのか。
「ワタシ、Buddhistナノデス。ダカラゴメンナサイ。カワリニヒイテクレマセンカ?」
ブッディスト。意外だった。北欧にも仏教徒がいるなんて、そういえば想像もしていなかったな。夢の中の彼だけでなく、ほんものの彼も、ほんとうにブッディストなのだろうか。
「本番でも2回引くのかな。」
「What’s up? チッカサン?」
「ううん、なんでもないよ。ほら、君のぶんのおみくじ。大吉じゃん。やったね!」
「ダイキチ?」
「Great fortune!」
「Oh I see!You’re a lucky angel!」
エンジェルは大丈夫なんだ。よくわからん。
突然私の背中に羽根が生えて、アメリカの球場まで飛んでいった。今日はいつもよりおかしな夢だな。でもいつもよりリアルに感じてしまう。ふと、彼のおみくじをじっくり眺める。そこには、“待ち人遅れ来る”との文字が踊っていた。いつの間にかラウルは私の隣に立っていて、彼は「コレハドウイウイミ?」と聞いてきたけれど、私はなんとなくはぐらかしてしまった。
私のほうは凶で、“待ち人来ず”との文字があった。
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