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私は大学を出て、とある中堅の出版社に入社しました。
いつか自分で企画したものを本にするという夢を持っていたからです。
その会社で今の妻である由利と出会いました。
私たちは結婚しようということになり、由利のご両親に挨拶に行きました。
すると由利の父親が「結婚資金はあるのか?」と聞いてきました。
実際、そんなに預金があったわけではないので正直にあまりないことをお話しました。
すると、由利の父親は「それなら、金がいるだろう。日曜日もうちの工場はやっているので、バイトに来ないか?」と言われました。
由利のうちは、多角的に様々なものをリサイクルする工場を経営していてその地域では、手広くやっていたのです。
多分、父親は出版社に勤務しながら日曜日もバイトする根性がある男なのか見たのでは無いかと、今となっては思います。
一年間、私は頑張りました。
お金が云々ではなく、由利の父親は「よく頑張ったな。由利を頼みます」と言って肩をたたいてくれました。
嬉しくて、涙が出たことを今でも覚えています。
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