母親

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 それは昨日のことだった。命日が近くなるにつれ、またどうしようもなく息子と話したくなり、雑誌に出ていた霊感占いに電話した。一分二百円で霊視もしてくれるという。 「亡くなった子供のことなんです」  それだけ伝えると、その占い師は息子がドライヤのコードが首に絡まって亡くなったことをいい当てた。  思わず息子と話をしたいことを伝えると「息子さんが『明日は出掛けないで』といっています」といわれた。毎年命日にバスに乗ることはもちろん伝えていない。 「なぜ出掛けては駄目なんですか?」 「危険だそうです。特に夜。息子さんはあなたを心配しています。僕のことでもう悲しまないでほしい、もう僕も旅立つからと」
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