霊感占い師

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 この前も常連の男性客から電話がかかってきた。明日意中の女の子と初めての食事デートに行くのだが勝負パンツの色は何色にすべきかというものだった。いつものようにヘッドマイクをしたまま家事をしながら適当に答えた。 「下着の色?」 「はい」    馬鹿じゃないか。どう考えても水商売の女に金づるにされているだけなのに、それを真に受けている。高いご飯を奢らされてタクシー代を払って解散になるに決まっているのだから勝負パンツの心配なんてする必要はないのに。  けど占いはサービス業。相手を喜ばせる必要がある。
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