1章

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 出会った頃は自信なさげでなんとなく人の顔色を伺うタイプだった。  ききょうはある案件で調査してる最中に出会い、美人局に加担させられそうになった。みみずくと出会ったことにより、逃げられることができた。  二十代だが、少し幼さが残る顔と、色っぽいスタイルの為に、周りから色々と悪口や嫌がらせを受けていた。その上、親族からは出生を引き合いに馬鹿にされてきた。そう言うこともあり、自己肯定感がかなり低い。  余談だが、ききょうの案件をきっかけに、みみずくとはめでたく夫婦になった。入籍の書類を出しただけだが。  よろず屋ななつ星で大屋の補佐として働いてから、ききょうは働きぶりを評価され、少しずつ前向きになってきている。みみずくと一緒にいるというのも大きい。  家ではききょうが主導権握っているが、お互い尊重しながらやっている。  すずらんは彩楓をききょうに重ねて、この子がいい方向に転がる為にベストを尽くすことを決めた。 「早く帰らなきゃ。妹かお腹空かせてるでしょうから。よろしくお願い存じます。では、ごきげんよう」  彩楓は立ち上がって深々と頭をさげて、辞去した。
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