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女性の正体
ニャー
「いらっしゃいませ!あら、子猫ちゃん!飼い主さんは?君だけで来たのかな?」
「あ!子猫ちゃん、なんでここにいるって分かったの?」
「あなたの猫ちゃんでしたか。良かった。このレストランは、ペットも大丈夫ですから、どうぞごゆっくり」
「あ!賢治さん!?」
「え?晴菜!?なんでここにいるんだ?」
「あなたこそ、なんでここにいるんですか?」
「えーっと…奥様?」
「いいえ、違います!あなたの会話、全部聞きました。浮気をしているあなたのお金と地位のために結婚なんてしたくありません。さようなら!婚約指輪は返し…」
その時、子猫が婚約指輪を咥えて走って行ってしまった。
「待ってー!子猫ちゃん、それ持っていかないで!」
「お客様?」
「あ!コーヒー代です。ご馳走さまでした」
ガチャン
「あーあ、賢治。面倒なことになっちゃったね」
「嘘だろ?なんでレストランに来てたんだよ。猫なんか連れて…」
「やっと晴菜が最低な男と気付いてくれた。私はそろそろ行くわ」
「ちょっと待ってくれ、愛里紗。どういうことだよ」
「え?まだ気付いてないの?晴菜にふさわしい男性かどうか、社長から協力を頼まれたのよ」
「なんだって?社長とグルだったってことか?」
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