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超売れっ子の、正統派美男子と言われている、若手俳優の竜崎慎之介。
あまりの驚きで、言葉も無く、ただ横顔を見つめている天音を乗せた車は
スピードを上げ、7階建てのマンションに着いた。
駐車場に車を止めた慎之介は「出ろ」と、短いが
有無を言わさぬ口調で言う、天音は、言われるまま車を降り
前を行く慎之介の後に付いて行き、エレベーターで、7階まで上がった。
「701」と書かれた部屋のドアを開け、天音を中へ引き込んだ慎之介は
まだ、靴も脱いでいない天音を抱きしめると、唇を合わせ、強く吸った。
それは、慎之介の大ファンの天音が、毎日夢に描いていた事だった。
それが今、現実に起こっている、全く、信じられなかった。
どこから、夢になったんだろう、天音は、ぼーっとした頭でそう思う。
そんな、夢の中に居る様な天音を、抱き抱えて、寝室に入れた慎之介は
そのままベットに押し倒し、ドレスのジッパーを下げる。
さすがに天音も「駄目」と、逃げようとしたが、強い力で組み敷かれ
ぐぃっと下げたブラジャーから、こぼれ出た胸の先を吸われると
もう、抵抗できなかった。
あっという間に、天音の喜びは弾け、戸惑っている間に
慎之介の物で、深く貫かれ、何度も絶頂に登らされて
最後に一緒に大きく弾けた。
まるで、嵐のような行為が終わると、慎之介は、優しい顔になり
煙草に手を伸ばし、うまそうに飲むと、ふぅ~っと、煙を吐いた。
一方、パーティ会場の二階から、天音の様子を見ていた
中野と沢木は、吃驚していた。
「おいおい、会ったばかりなのに、もうお持ち帰りだぞ」
「驚いたな~よっぽど、ドンピシャだったんだな」
「ああ、これで、この仕事も九割がた、成功だな」そう言った沢木は
いきなりテーブルに突っ伏した。
「おいっ、どうしたんだ」そう言った中野は、沢木の背中から
サバイバルナイフを引き抜く男を見た。
沢木の背中から、血が噴き出し、男の顔に掛かる「お、お前、、」
そう言った中野の胸に、そのナイフが、ぐさりと突き立てられた。
中野は、椅子ごと床に倒れ、刺した男は、突き刺したナイフに体重を掛け
なおも深く、押し込んだ。
「キャァ~」「うわぁ~」隣のテーブルに居た客が、悲鳴を上げ
店内は、大騒ぎになったが、刺した男は、その場に座り込んだままで
駆け付けた警官に、大人しく連れて行かれた。
救急車が来たが、中野も沢木も、すでに死んでいた。
慎之介が、吸い終わった煙草の火を消し、天音の素性を聞こうとした時
携帯が鳴った、マネージャーの徳永からだった。
「何だよ、オフの時位、電話して来るんじゃねえよ」そう言う慎之介に
「慎、今どこだ?」「どこって、家だけど」「そうか、良かった~」
徳永の、ほっとした声に「何か有ったのか?」と、慎之介が聞く。
「テレビ、付けて見ろよ、大変な事になってる」
そう言われて、慎之介は、テレビを付けた。
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