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ずっと雨が
降り続いているので
その街は
色がない
グレーな街並み
グレーな顔色
生きているものすべてが
グレーな色合い
晴れを見たこともない子供
街外に出ようにも
四方の道は雨水の絶え間ない流れで
滝となって谷を削り
住む街を侵食させていた
この世に存在する
土地という土地は
すべてが
そんな
尖塔のような土地になり
幾年か、記憶さえおぼろな
災いの歪みを逃れた人々が住んでいた
遠く離れた幾つかの土地と
遣り取りはあったが
途絶えがちになり
雨の飛沫で
濃霧が人々を死海へ誘う
終わりの街では
祈りの声が
雨にかき消されながら
崩れ落ちる
雨は
地球の涙だった
……**……**……
緋
『雨が、Ⅱ』より転載
……**……**……
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これは、漠然とした
私の思うところの
デイ・アフターを描きました。
書いたときには
こんな事態になるとは思いませんでした。
核廃絶、核兵器廃棄、
原発の廃炉もそうですが
気の遠くなるほどの時間が必要です。
数世代にわたっても、
成し遂げられるかは判りません。
本当に必要だったんですか?
地球を破壊するほどの威力が。
2022/3/11
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