06 瑪瑙可南子と神聖の舞

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「ICで録っているとは思ったが、本当に録っているという確証はなかった。指示してなかったからな。それなのに録音していたおかげで、ことがスムーズに運んだ。感謝している」 「え? え?」 「だーから! ありがとう、と言っているんだ! 食え!」 私はナガノパープル最後の一粒を、ポカンと開いた将流の口に投げ込んだ。 「か……可南子さぁぁぁぁぁん!!!!」 やたらと感動したような大仰な表情で、将流が叫ぶ。 「感動するのはあとにしろ。事故を起こす」 「感動しますよ! あの可南子さんが、自ら俺にあ~ん、て!」 「あ~ん、されて喜ぶなんて、お前は赤子か? 赤子なのか?!」 暗いハイウェイを、小さな車が駆けていく。 テールランプが、舞を舞うように揺れているんだろう。 胸の奥で、シャン、と、鈴の音が聞えた気がした。 了
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