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「そうですね、依頼はあります。でも、美佳ちゃんも待ってます。ので、土曜日に一緒に行きましょうね!」
……なんだかうまく乗せられた気がするが……事件の依頼なら、仕方ない。
私はブドウの乗っていた皿を流しに放り出し、山積みの文庫本を手に取った。
***
私の名前は、瑪瑙可南子。めのう・かなこ、と読む。都内の片隅で私立探偵事務所を営んでいる、美女だ。年齢は22歳。まだまだ若い部類に入る。というか、この年で自分の探偵事務所を構えているなんて、なかなかのものだろう。例えそれが、叔父の跡を引き継いだだけだとしても。
大学生じゃないのか、とよく聞かれるが、それも間違ってはいない。同じく都内のT大学に籍をおいているからだ。もっとも必要な単位はとっくにすべて履修済みで、あとは卒業を待つばかりという状況だから、実際に通ってはいない。
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