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夢に堕つ
『どんなに長く、願ったでしょう。
どんなに強く、願ったでしょう。
諦めかけたことも、何度もありました。
けれどその度、貴方は私に言うのです。
太陽みたいな笑顔で。
大丈夫だ。心配ない。
貴方の両親が宗教家で、決められた方との結婚以外、認めない、と言った時も。勘当するぞと脅された時も、『どうぞお好きに』と、昂った両親が握った拳を下ろすあてがないほどあっさり、貴方は言い放ちました。
研ぎ澄まされた強さと冷静が、貴方の中に常にあるのは知っていたけれど、あれは、流石に驚きました。
私が子供の産めない体だとわかっても、貴方は眉ひとつ動かさず、『オマエがいればそれでいい。子供なんていらない』。
瞳を真っ直ぐ覗き込んで、そんな風に言うから、私は思わず泣き出してしまいました。
わんわんと、子供のように。
子供の産めない体と分かったこともショックだったし、何より、深く、深く、愛されているのが分かって、嬉しかった。ありがたかった。私も愛していると伝えたかった。なのに私は泣いてばかりで。
郊外の長閑な土地で、マンションを借りて。二人の穏やかな日は続いて。
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