7.季節外れの豪雨

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「わかった。また何かあったら頼む!」 と思考しておいて、消防のレスキューに 「つぶれた家の真ん中付近にいるぞ!生きてるので慎重に入れ!」 と伝えた。  消防のレスキューが、ジャッキのようなものでハリを固定し、数人で家の中に突入した。さすが本職だな。警察にはあんな装備はないから、救出は無理だな。  その時クロが、 「急いで!山の上から土が流れてくるって!」 「わかった!」 とオレは答え、 「土石流がくるぞ!急げ!周辺の者は避難しろ!急げ!」 とオレは叫んだ。 シロ達が巻き込まれたら助けるものがいなくなるから、シロ達は少し離れた高台に避難した。 「いたぞー!ロープ引けー!」 とレスキューから声がかかり、残っていた全員が力の限り引っ張ったらボート型のタンカに乗せたおばあさんが出てきた。  その頃には地響きのような音に混じって、「ガラガラ」とか「ゴロゴロ」とかの音が聞こえて来ていた。  レスキュー隊最後の1名が引っ張り上げられるのと、土石流が襲うのが同時だった。  既に地元のTV局のカメラが到着しており、この瞬間の映像はすぐに局に送られスクープ映像として全国版で流れたようだ。
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