1.クリパ(その1)

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1.クリパ(その1)

 12月も中旬に入った。  誰が言い出したのか知らないが、オレ達の屋敷でクリスマスパーティをしようということになり、オレはももっちと一緒に色んな手配などをするハメになった。  神宮寺是真(これま)さんを呼ぼうという話が持ち上がり、連絡を入れてみたら、なんと、本部長まで呼んでやりたいという。そちらの連絡はオレの仕事になってしまった。スポンサー的に是真さんを呼んで頼ろうとした罰かな……。  オレは携帯に入っていた美人秘書さんに電話してみた。 「ハイ、室長さんお久しぶりです。どうされました?」 と、声優さんの声で出てくれた。 「あ~、実はですね、本部長をクリパに招待したいんですよ。24日の予定とかどうなってますか?」 「あ、ハイ、少々お待ちください……。その日でしたら公務では特に何も予定はないようですが、個人的に(プライベート)は聞いておりません。私からで良ければお聞きしておきましょうか?」 「できればお願いします。時間は24日の18時半から私の家で、コスプレ形式でやろうと思うんです。よろしければ秘書さんも来ていただけると嬉しいのですが……」 「まぁ、私も行ってもいいんですの?もうおばちゃんなのに?」 「何をおっしゃいますやら。こんな美人に来てもらえたら最高ですよ!」 「うふふ、お世辞でも嬉しいですわ。では本部長に伺ってから連絡いたしますので」 「ハイ!よろしくお願いします!」 ………… 「……あなた……?」 急にレイの思考が入ってきた。(ヤバッ!?) 「聞いてると、とても嬉しそうね。そんなに美人が好きなの?」 「ぁ……あれはだな、ホ……ホラ、社交辞令っていうだろ?今後のこともあるし、一応だな……」 「ふ~ん……怪しいけど、ま、いいわ。平凛(ひらり)さんみたいにはならないでしょ?」 「ナイナイ、それは絶対ナイヨ!」 レイとそんな会話をしているとももっちが、 「ご主人様、コスプレのコンセプトはどんなのがよろしいですか?」 と聞いて来た。
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