7.季節外れの豪雨

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7.季節外れの豪雨

 クリスマスが終わってすぐ、季節外れの大雨が続いている。どうも今はやりの「線状降水帯」というのが高知県に出現しているらしかった。  総降水量も300ミリを超えたということで、災害の危険が出てきたな。オレ達の仕事では、こういうときには待機がかかる。今回もISDから出られずにいた。  今日は28日で既に仕事納め式は終わっていたけど、まだ当分帰れそうにないな。  「クラウド、すまないが万が一出動がかかった時のために、みんなの装備品を確認して準備しといてくれないか」 「わかりました。ユイはクロ達の水と食料、それと雨具も頼むな」 「ハーイ、わかりました。アスカ、悪いけど倉庫から水とエサを出しといてくんない?」 「わかりました!」 まるでうちの組織の命令系統の縮図だな、とか思っていたら、ホットラインが鳴った。  出たら本部長だった。 「高知市土佐山で土石流が起きて民家数軒が巻き込まれたようだ。出動してくれ」 「ハイ!わかりました!」 「今回はヘリを使えないから、ISDのワゴンとパトで向かってくれ。場所は無線で知らせる」 「了解!」 と言って、レイを除いた全員がワゴンとISD専用パトに乗って庁舎を出た。
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