5.クリパ(その2)

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 クラウドは女性慣れしていないのか、ずっと下を向いて恥ずかしそうにしている。 「ハイハイ、クラウドのお兄さん、パンツ脱いでパンツ」 とのあさんが言った。 「ひぃ、これだけは勘弁して……」 「ダメよクラウドさんは女装なんだから、そんなトランクスじゃあ……」 「え?女装?」 「そうですよ? Tバックのパンティを用意してあります」 と言われ、憐れかなコスプレイヤー3人に強制的に脱がされ、Tバックを履かされていた……。 「ひぃっ!」 クラウドの悲鳴はやまない。許せクラウド、オレには何もできん……。 「イテテテテテ……。大事なとこが、い……痛いんですよ……」 「ハイ!そこはガマンどころです。コスプレイヤーはガマンしてナンボですよ!」 と、ももっちは無情にも言った。 「わ……私は、コスプレイヤーではないですよ!」 「ダメです。一度この道に足を踏み入れたら、もうコスプレイヤーの仲間入りなんですから」 「室長~、なんとかしてくださいよぉ……」 「悪いな、今のオレはカズマだよ?ヒキニートに多くを求めても、何もできません」 「さすがご主人様、心がけが違いますね!」 と、ももっちから褒められた。 「室長ぉ~……」 クラウドよ、いいダクネスになるんだぞ。 「ガンバレ!」 とオレは言って親指を立ててウインクしてやった。  オレのカズマの衣装は地味だし普通だから、一人で着られた。 「あとは本部長と是真(これま)さんだな……」 とオレが言うと、 「あのお二人は、本部長邸で着替えてから来るそうですよ?」 「なんだ、そうなのか。時間も来たし、先に始めるか」 と言って会場に入ると、そこにはオレしかいなかった……。
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