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もうあれから四年も経つのか。シャワーを浴びた俺は浴室を出て体を拭く。テーブルの上に置かれたお前のスマートフォンの画面が着信を受けて光る。………知らねぇ名前だな。
………誰なんだよ、これ?
俺は寝室に行き、寝ているお前の髪の毛を鷲掴みにした。半分はまだ寝ぼけた顔をして、半分は「またか」という絶望の顔をしている。
俺が髪の毛を掴んだままお前をベッドから引きずり下ろすと、痛いから離せと泣き叫ぶ。
「……うるせぇ!!」
俺の手の平が少し熱を持ち、お前は頬を抑え、肩を震わせて泣く。俺だけを見てりゃ、怖い思いなんかしねぇんだよ。俺だけを必要としてりゃ、痛い思いなんかしねぇんだよ。
「………消せ。」
事情なんか知るか。俺はお前だけを見て、お前も俺だけを見る。俺はお前以外の女の連絡先なんか必要ねぇ………だから、お前もそうであるべきなんだよ、分かってるよな?お前が愛してるのは、俺だけだって。
すすり泣くお前の肩をぎゅっと強く抱きしめる。そして俺は、お決まりの言葉を口にするんだ。
「……ごめんな、やり過ぎた。」
俺はそのままお前を床の上で抱く。乱暴にはしない、傷付いたお前を、今度は優しさで包み込むんだ。優しく、優しく……キスをする。お前の唇に、次に首筋に、それからブラ紐の下、二の腕、手の甲、そしてまた二の腕にキスをして、脇腹……少しずつ、お前の緊張を解いていく。もう一度唇に戻ると、今度は深く、深くこの舌をお前の舌と絡めていく。一度息継ぎさせてやって、それからまたお前を感じさせてやる。お前の好きな個所は必要以上に攻めてやる。それがお前は凄く好きだから……。
なぁ、俺以外の一体誰が、こんな事をしてやれる?
これでもお前は、その首輪を外したいって言うのか?
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