ハルカ

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いつまでも春休みがいいなんて願いは叶うはずもなく あっという間に入学式を迎えた。 「ほら、秋香!笑って!もう1枚!」 と楽しそうな母に押し付けられるように家の前で写真を撮る。 「笑顔!笑顔!おばあちゃんに送るんだから~」 私は笑う理由に勝手にされているおばあちゃんの身にもなれ と考えながら無理やり口角を上げる。 そんなことをしていると 「しゅーちゃんおはよう!!」 と聞き馴染みの声がする。 「花ちゃん!おはよう!」 と私も声高らかに返す。 私の幼馴染の花ちゃんである。幼稚園から早9年たつが一回も喧嘩をしたことが無く、家族よりも本音で話せる存在である。 母から聞いた話だが、 なんでも、幼い頃機嫌悪いとき花ちゃんの話やお泊りを持ち掛けると機嫌が直っていたらしい。 行ってきます!と母に手を振り中学校に向かう。 「やっぱ制服ださいよねー」 「しゅーちゃんまだ言ってるの。いい加減諦めなって」 「高校は絶対可愛い制服きるもん!!」 「うわ、高校もださ制服のフラグたった~」 「もう!花ちゃんやめてよ~!」 と話していると中学校につく。 「中学では同じクラスでありますように!」 と願いながら貼られている掲示板を見る 「また、違うクラスだあ~!小1以降一回も同じクラスになれない!」 とぼやいていると誰かから肩を叩かれる。 振り向くと 「秋花ちゃんおはよう!」 「あ!りさちゃんおはよう!久しぶりだね!」 と話すと私は花ちゃんにりさのことを紹介した。 「りさちゃんとも違くクラスか~」と話しながら 各々のクラスに向かう 「じゃあ。またあとでね~」と手を振り 教室のドアも開ける。 私は座席表を確認し席に着くと 「よっ!また、お前かよ~しかも隣飽きたわ~」 「こっちのセリフだわ」 と小1から同じクラスで苗字が前後の男子とふざけ叩き合いながら 話をすると教室のドアが開いた。 「はい、席ついて!今日からこのクラスの担任をします。松川です。」 先生が挨拶をすると隣の男子が小声で 「なんか、おたふく納豆に似てね?」 と言ってくると私は思わず吹き出してしまう。 「ちょっと、黙って!」 と肩を軽く叩く。 そんな姿を見た先生が 「そこ仲いいね~!」と言って同じ小学校の子が 「さすが~腐れ縁!」 と冷やかしてくる。 私は入学早々最悪だ。と思いながら時がたつのを待つ。
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