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「確かにそうだね。ま、てっちりは奢ってよ。菅原さんの旅費は私が出すから」
泊まるのは新大阪だがミナミに出て観光がてら飲んでみるのもいいだろう。この前の社内全体会議では、観光なんてできなかった。二時からの会議に十二時半に新大阪に着いて駅構内でハンバーガーを食べ、五時間も会議をし、痛い腰をいたわりながら夜は駅のコンビニで買った蕎麦をホテルの部屋で食べた。社内の人が見ているかもしれないので俊太とは行動を共にしなかった。二人の交際はまだ内緒にしている。
「それじゃ、明日の二時に東京駅で待ち合わせにしよう。チケットは買っておくよ。東海道線改札の前に椅子が並んでいるだろ。そこで待ってるから」
「分かった。じゃ、明日ね」
梨香子は電話を切った。すぐに菅原に電話する。今までのいきさつと大阪行きのことを話したら快諾してくれた。
「やっぱり霊の気配は本当だったのね」
「一泊二日で私と彼氏の俊太は同じホテルのツインに泊まるけど」
「あ、私だったら心配しないで。大坂に知り合いが住んでるの。泊めてもらうから大丈夫」
梨香子は菅原とも東京駅で待ち合わせをして電話を切った。
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