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プロローグ
「冬月シバ……シバ。42歳か」
「はいっ」
とある店舗のスタッフルームに店長と思われる中年男性と、前にはボサボサ頭で髭面の男。
その男こそ冬月シバ。
「高卒で首席で警察官学校卒業、全国剣道大会優勝を何度も、警察を辞めたのちは職を転々……ベビーシッター?」
「そうです、今も何名かと契約してますし、剣道の指導も続けてます」
「ふうむ」
履歴書には今までの職歴がずらっと書かれているがあまりにも多く、期間も短く店長は不安がっている。
「……まぁ最後に聞こう。あなたの取り柄は」
シバはその質問に笑った。そして髪の毛をわしゃわしゃっとさせる。
「取り柄っすか。そうだなぁー……とりあえず生きているってことかな」
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