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「そうだけど、別れてないかもしんねぇじゃん」
「……そこ? でも実際お互い別の人と付き合ってた。言っても仕方なくない? 」
「ごめん、悪かったよ。単純にもったいないなって思っただけ」
「こんな時にいらんこと言わなくていいの! 」
「そっか、そうだな」
悟はふっと表情を崩し
「良かったな、未央」
と喜んでくれた。それに梢が満足そうにうんうん頷いていた。
「未央、途中から全然恋愛の話しなくなって、辛そうだし。でも全然話してくれないし、何も出来なくてごめんねぇ」
それなら私だって梢に何も出来てない。
「ううん。私の気持ちを尊重してくれてありがとう。私付き合うのも初めてだしどうしていいかわかんないから、これからは相談させて」
「うんうん、もちろん! 私の愚痴も聞いて」
「おい! 」
悟が抗議したが、これも単にのろけだと思う。悟と梢は親友から恋人になったから最初から何でも言い合えていいなぁと思う。それでいて、前にはないちょっとした恋人らしさもあり……三人でいると私はお邪魔なのでは?と思う。……時もある。
「どうした? 」
「やー、私、邪魔? 」
「は!? 」
「は!? 」
二人して真っ赤になって口々に否定する。身振り手振りが大袈裟過ぎて動揺が見て取れた。色々あったなぁ。二人も色々あってここにたどり着いたのだ。私の希望だけど二人にとって、四恋目がないといいなと思った。梢の横で、もう気だるそうにはしてない悟と、悟をちゃんと恋する目で見ている梢を前にそう思ったのだった。
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