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当日
「とっても素敵です、ルカ王子」
私は、今日の結婚式のためにルカ王子に作られた、白い豪華なタキシードに身を包んでいる。お直しは、肩の厚みだけだった。
結局、騎士様達が夜通し国中を捜索していたけど、本物のルカ王子は見つからなかった。
夜通しといえば…
昨夜、ダーク様とダンスの練習をした。
ダーク様は私の背後にまわり、両腕を取り、耳元に呼吸がかかる距離で…
「背筋伸ばす!」
「ニヤけるな!」(なんでわかったの!?)
「俺の足を踏むな!」
「基本的にセーラ様がリードしてくださるだろうが、これだけでもマスターしろ。このままだと夜通し練習することになるぞ!」
…むしろ大歓迎!このまま手取り足取りお願いします!
夜通しは免れ、「意外と体力と根性あるな」と褒められた。
「窓拭き係を舐めないでください、全身運動を一日中やっているようなものですよ」と得意げに言ったら、
「そうか、ウチの部下達にもさせようか」と笑ってくださった。
その笑顔、何よりのご褒美でした…。
「準備はよろしいでしょうか、ルカ王子」
騎士様のお姿が凛々しいダーク様がお迎えにいらしてくれた。
さぁ、私にとって一世一代の大舞台。
…ドジ踏んで、首が飛ばないよう、気をつけよう。
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