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最後の都市
主要都市5ヵ所あるうちの、一番王宮から遠い都市。
この地で訪問は終了だ。
結婚式の次の日から、馬車2台、荷台2台、馬20頭、総勢30人で王宮を出て、移動、宿泊、パレード、視察、晩餐会、宿泊を4回繰り返し、やっと10日目の朝。
昨日現地に到着し、今日は昼前からパレードを開始する。
「同じベッドを使わせていただくなんて、とんでもございません!」
ここは1つ目の訪問先の市長宅の客間。
新婚夫婦の為に贅沢な趣向を凝らした部屋の奥には、大きなダブルベッド。
「誓いのキスをした仲だというのに、何をそんなに遠慮する」
セーラ様が意地悪く、ベッドへ誘う。
教会でのセーラ様は、女神様かと思う程お美しかった。
ヴェールがかかっていても溢れ出るその気品は、触ることが許されない、神の領域かと思える程だった。
「…お美しいです」
つい、心の声が漏れてしまった。
一瞬の可愛らしい誓いのキスも、後で怒られるかと思いきや「中々良かったわよ」とセーラ様にお褒めの言葉を頂いた。
後でダーク様から「良い式だった」と、こちらもお褒め頂き、「お疲れ様」と頭を撫でて貰った。
やばい、撫でられた頭から溶けていきそう…。
しかし、晩餐会でのダンスに関しては散々嫌味を言われた。
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