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「おぉ、ルカ!そなたは無事であったか!」
ここは、襲撃があった森の近くの村の病院。
R国王は自国でルカ王子が見つかったとの知らせを受け、こちらの国に着いたところ、帰路襲撃の知らせを受け、数人の従者を連れて飛んできたという。
我が国の王様も、ご一緒だ。
死者9名、重傷者13名、負傷者8名という大惨事だ。
その中でも、セーラ様は頭に衝撃を受けているらしく、まる1日たった今も眠ったままだ。
ダーク様も…傷がひどく、ずっと痛みと高い熱にうなされている。
私は、病室の隅で小さく膝を抱えて座っていた。顔を、隠すように。
「ルカ王子は…お怪我は無いようですが、ずっと伏せっておいでです」
救援をお願いした騎士様は、男装した私をルカ王子と認識し、それも伝えた。
「ご無事で何よりです。襲撃中、そのようにお隠れになっていたのですかな?賢明です」…聞き覚えのある男の声が近寄ってきた。
「お前、今までどこにいた」顔を伏せたまま、男らしい声で尋ねた。
その様子に、皆がこちらに注目した。
「わ、私は今までずっと王様の側に…ねぇ、王様」と、R国王に助けを求めた。
「では、なぜ爆薬の匂いがそなたからするのだ」
ざわめく人達。
「なぜズボンの裾に、泥と共に血痕があるのだ」
「ま、まさか…!」慌てて自分のズボンを確認する男。
「お前がニヤついたときは、左の髭が上がる!隠れていた私を確認した時もそうだった!」私は顔を上げ、立ち上がった。
「私はローゼ!お前らに殺されたルカ王子の替玉だ!」
真っ青になる髭の男。怒りで真っ赤になるR国王。
「捕らえよ」我が国の王の一言で、R国王と従者を取り押さえた。
「話をゆっくり聞かせて貰おうか。…セーラが目覚めるまでにな」
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