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ちらっとダーク様の方を見る。
目が合ったダーク様は「おかわり、いるか?ちょっと冷めたが」
と、私の真横まで来た。
ポットに残ったコーヒーを、私のカップに注ぐ。
「あ、ありがとうございます…」
そのままダーク様は、私の真横でテーブルに腰を掛ける。
ち、近い…。ダーク様の腰が真横…。
そして、再び沈黙。
唾液を飲み込む音まで聞こえてしまいそうで、飲み込めず、溺れそう。
コーヒーを飲むふりをして、飲み込んだ。
「これからも…このコーヒーを一緒に飲んでくれないか」
「え?あ、はい、嬉しいです。他のでは物足りなくなってしまいそうですが」
そう咄嗟に答えた私の頭に、ダーク様の手のひらが降ってきた。
え?何で?
ちょ、ちょ、頭押さえつけられていますけど?
「他のではだめだ。いや、コーヒーは飲んでも構わないのだが…」
頭を押さえつけられているので、ダーク様のお顔が見られない。
今、どんな表情をしているの?見たい!
必死で抵抗する私。
暴れる私の頭を、ダーク様はご自分の胸に寄せた。
「なぜ暴れる」耳元で囁く。
「ダーク様のお顔が見たいからです」
ダーク様が、私の左頬に手をやり、顔を上げさせる。
「どうだ、満足か?」
目の前にダーク様のお顔。頬が、赤い。
ダーク様の瞳、黒くてキレイ。まつ毛は真っ直ぐなんだ。
こんなに近くでお顔を真っ正面から見たのは、初めてだ。
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