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「本当に、青いな」ダーク様も私の瞳を見つめている。
あ、ちょっと待って。
私、仕事上がりで顔、汚ったないかもしれない。
思わず背けてしまった顔はすぐ引き戻され、ダーク様の唇が私の唇を塞いだ。
三度目の沈黙は、一番長く感じた。
口を塞がれていれば、沈黙は当たり前なのだが。
…鼻で息をして良いのか、わからなかった。
このまま窒息しても、いっか、と思えたけど、流石に無理だ。
そっと、私から離れた。
また、ダーク様の胸に引き戻されてしまった。
ダーク様の心臓の音が聞こえる。
耳がちょうど、ダーク様の胸にひっついている。
若干首が痛いけど、このままでいたい。
「ローゼ、俺と…」そう言われた時、驚いて思わず顔を上げてしまった。
「今、ローゼと!私の名前、初めて呼んでくださった!」
「は?」
ずっと気にしていた。
「窓拭き係」から始まり、「ルカ王子」「お前」と呼ばれていた事を。
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