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誰かが、私の枕元に座った。
優しく、髪をなでる。
あ、お香の香りがする。
「…セーラ様?」
眼を開けると、ダーク様の拗ねたお顔があった。
「悪かったな、俺で」
「…すみません。セーラ様の寝室でしたので」
やってしまった。久しぶりにお会いできたのに。
「1ヶ月も寝ていたぞ」
「びっくりしました」
…帰ってくるまでに、お風呂に入れて良かった。
ダーク様が寝たままの私を抱きしめる。
「背中は…もう痛くないのか」
「少し、引きつる程度です」
「見ていいか?」
「駄目です」
「…冗談だよ」
沈黙が続いた。
ダーク様が肩を震わせている。
お顔が、よく見えない。
ダーク様の、頭を撫でてみる。
「心配した…」耳元で、ダーク様がささやく。
「すみません、でも私も、ダーク様が大怪我された時、心配しました」
「すまん…」
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