謝罪

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「返納は必要ございません。予定通り結婚式を行います。明日までに王子が見つからなかった場合、代役を立てます」 私は「失礼致します」と応接室に入った。 「ルカ…!では無いな。おぉ、こんな青年が都合よく…」 「私の使用人です。王子の捜索と並行して、この代役に王子の任務をこなしていただきます」 呆気に取られているR国王をよそに、セーラ様は続けた。 「私も結婚式前日に花婿に逃げられたなんて恥ですから。…半年間。その間に王子を見つけることができ、私の伴侶となるのであれば、我が国は、当初からあった結婚の条件の一つ、財政支援を続けましょう」 え?半年?身代わりは結婚式だけじゃ無いの? 「半年が過ぎ、王子が見つからない、もしくは王子との結婚は不可能と認識した場合…おわかりかしら?」 セーラ様の冷ややかな笑いが、R国王を震え上がらせた。 「即刻!我が国全土、草の根分けて探させて頂きます!」 逃げるように退席しようとするR国王に、 「明日のお式にはご参加くださいね。そして、くれぐれも内密に。私の父である、この国の王に知れたら…翌日にはR国が、地図から消えることでしょう」と、セーラ様は釘を刺した。 私がドジを踏んで、代役がバレたら…私はどうなるのでしょう?
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